最終更新日:2023年5月16日

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平成19年度施政方針

 

写真:久野知英町長

三好町長
久野知英

平成19年度町長施政方針

 

 

●はじめに

平成19年第1回三好町議会定例会の開会にあたり、平成19年度の町政運営に対する私の所信の一端を申し上げ、議会ならびに町民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年は、三好町の前身である三好村が誕生して100周年という節目の年でありました。わが町は、活気と活力のみなぎる町として目覚しい伸展の歩みを続けておりますが、これもひとえに先人先輩の英知と努力の賜物であると深く敬意と感謝を申し上げる次第であります。
平成19年度は、これまでの100年を礎に新たな歴史を創造する第一歩となる年であります。先人先輩が築き上げてこられた「ふるさと三好」のさらなる伸展をめざし、皆さまとの協働により、住んで良かったと実感していただけるまちづくりに、誠心誠意取り組んでまいります。

 

●平成19年度町政運営の重点取組施策

さて、わが国の経済情勢は、企業収益の改善や需要の拡大などにより設備投資は増加しており、個人消費も所得が伸びていることから緩やかではありますが増加傾向にあると言われております。企業活動の好調さが家計へ波及してきており、今後も民間需要に支えられた景気回復が続くものと見込まれております。
わが町におきましても、こうした財政状況を背景に、為替の変動など不安定要素はあるものの、自動車関連企業を始めとする法人の堅調な業績を反映して、法人町民税の増収が見込まれます。また、個人町民税につきましては、所得税からの税源移譲や定率減税の廃止などによる増収が見込まれます。
しかしながら、経済情勢は先行き不透明であり、また、国庫補助金の廃止・縮減、交付税制度改革など地方財政制度は大きな転換期を迎えていることなど、予断を許さない状況にあり、引続き厳しい財政運営が求められます。
平成19年度の町政運営にあたりましては、私の基本姿勢であります“心の通う対話とガラス張りの町政”を堅持しながら、「子育て支援の充実」、「障害者福祉の充実」、「バリアフリーの推進」、「緑と水辺の保全と活用」、「大気環境の保全」、「生活環境の保全」、「交通安全対策の推進」、「防犯対策の推進」、「防災対策の推進」、「農業の振興」、「水環境の保全」、「住民参加のまちづくり」、「職員の人材育成」、「健全財政の推進」を重点施策として、地域の特性や特色を生かしたまちづくりを推し進めてまいります。

 

●平成19年度施政方針
私は、町政運営のキーワードに「協働」を掲げ、“夢と緑と活力あるまち”をめざして「マニフェスト」を発表させていただいております。平成19年度の町政の取り組み方針につきましては、皆さまと実践・実行を約束させていただいた「マニフェスト」に掲げる9つの柱に整理し、申し述べさせていただきます。

第1「ともに力をあわせて築く“新しいまちづくり”」

1点目「自治基本条例」の制定

自治基本条例は、まちづくりの基本原理や行政の基本ルールなどを定める我が町の最高規範となる条例です。
(仮称)三好町自治基本条例案の策定につきましては、「策定ネットワーク会議」を設置し、公募で選ばれた方や各団体の代表者の方々に委員として参画していただき、現在、活発な論議をいただきながら取り組んでおります。
平成19年度には、ネットワーク会議において条例素案をまとめていただき、素案に関するパブリックコメント手続きを経て、平成20年3月定例議会に条例案を上程させていただく予定でございます。

2点目「新しい総合計画」の策定

公募による4名の委員を含む25名で組織する総合計画審議会に、昨年秋、第6次総合計画策定の諮問をさせていただいており、審議会では、現在、課題の整理に向けて策定作業に取り組んでいるところでございます。
平成19年度には、ワークショップや各行政区に出向いて意見集約会を開催するなど、多くの町民の皆さまの参画をいただきながら基本構想と基本計画の素案づくりに取り組み、平成20年度中の公表をめざしてまいります。

3点目「図書館を含む複合施設基本構想」の策定

現在、職員による検討委員会を設置し、基本構想の検討を進めております。平成18年度当初予算において、施設建設基金として5千万円を積立ていたしておりますが、さらに今定例会に5億円の補正予算を計上させていただきました。
平成19年度には、町民の皆さまの参画をいただき早急に基本構想策定委員会を設置し、既存公共施設のあり方も含めて、基本構想を決定してまいります。

4点目「協働によるまちづくり」の推進

魅力あるまちづくりを進めていくためには、町民の皆さまやNPOと行政が互いに尊重しあい、対等な立場で将来に向けたまちづくりを考えていくことが重要であります。
平成19年度には、町民活動団体の把握、協働により進めていくことが可能な事業調査を実施するとともに、教育学習センター内にNPOやボランティア団体などの活動に関する情報提供や相互交流のための拠点を設置してまいります。また、役場組織の機構を改革し、新たに町民協働部を設置し、協働に関する窓口を一元化してまいります。

5点目「町制施行50周年記念事業」の推進

平成20年には、町制施行50年という節目の年を迎えます。この記念すべき節目を町民の皆さまとともに慶び、今日のわが町の礎を築いていただいた先人・先輩に感謝するため、記念事業を予定しております。既に職員で組織するプロジェクト会議を設置し、事業内容や実施方法などについて検討しております。
平成19年度には、町民の皆さまの参画による記念事業実行委員会を設置するとともに、広く記念事業の企画案を募集し、来る平成20年度の記念事業実施に向けて検討を重ねてまいります。

第2「守り育てる“ふるさとの環境”」

1点目「三好公園整備事業」の推進

公園は、皆さまの憩いの場、レクリエーションの場としてのみでなく、災害時における防災拠点、緑と自然を保全する場であるなど多様なニーズに対応した施設でなければなりません。
三好公園は町内唯一の総合公園であり、町や一般の団体が主催するイベントも数多く実施されるなど、皆さまに広く利用されております。
平成19年度には、町営プール跡地に芝生広場、遊具広場、駐車場を整備してまいります。

2点目「地球環境保全対策事業」の推進

「愛・地球博」を契機として、町民の皆さまの環境に対する意識が一層高まる中、生活環境の保全のみならず、地球規模での環境保全対策の必要性がますます求められています。
住宅用太陽光発電システム設置への補助や、平成18年度から新規に導入いたしましたハイブリッド車などの低公害車購入に対する補助は、19年度も台数を増加し予算を計上させていただきました。
平成19年度からの新規事業といたしまして、高い省エネ効果により温暖化ガスの発生量を大幅に削減する電気給湯器や、環境にやさしいクリーンな天然ガスを利用したガスエンジン給湯器などの設置に対する補助制度を導入してまいります。

3点目「緑の基本計画」の策定

豊かな緑と自然環境を守っていくことは、まちづくりの観点からも良好な居住環境を守り、都市の安全性を確保するために非常に重要であります。緑の基本計画は、緑地の適正な保全と緑化の推進を総合的かつ計画的に実施していくための指針であり、平成19年度から3箇年をかけて策定に取り組んでまいります。

 

第3「みんなでささえあう“福祉のまち”」

1点目「障害者への支援」の充実

現在、「サポートプラン三好2.(第2期三好町障害者計画)」に基づき、健常者そして障害のある方の参加をいただく中で、地域福祉の推進に取り組んでおります。
平成19年度には、身体に障害のある方に加え知的障害のある方にもご利用いただけるよう、障害者福祉センターを改修いたします。心身障害者支援事業や在宅福祉サービスなど、サポート体制のさらなる充実に努めてまいります。

2点目「高齢者福祉」の推進

現在、地域包括支援センターを拠点として、要介護者およびその家族の包括的、継続的な支援と介護予防に努めております。また、家庭で要介護者を介護する家族のリフレッシュおよび交流の場である地域サロンをNPO法人に委託し、開設いたしました。
平成19年度からは認知症高齢者の家族介護者への支援も新たに実施し、高齢者を介護する家族の負担軽減に関わる施策を充実してまいります。
なお、町民病院南側に社会福祉法人により新設されます特別養護老人ホームは、順調に整備が進んでおり、平成19年6月1日に開所予定と聞いております。この特別養護老人ホームでは、地域の皆さまへの交流スペースの設置も予定されており、開かれた施設運営がされるものと大いに期待をしているところでございます。

3点目「三好町民病院」の充実

町民病院は、平成19年度から地方公営企業法の全部を適用することといたしております。これは、病院事業管理者に予算や人事に関する権限と責任を持たせ、管理者自らの判断と努力で迅速な医療サービスの向上と健全経営をめざすものであります。地方公営企業法の全部適用は、病院経営の改革であり、町当局、病院とも重大な決意をもって判断させていただいたものであります。
病院事業管理者には、町民病院の医療、運営に精通している現院長を充て、新しい院長には名古屋大学医学部付属病院から成瀬先生に来ていただき、病院の充実を図ります。
また、ご要望の多かった眼科の新設や、16床の増床など、さらなる医療サービスの充実を図ってまいります。
なお、全国的に医師不足が問題となっております。町民病院の医師については、現時点では診療科目に必要な医師の確保はできておりますが、今後につきましても、関係する大学病院の医局との連携を充分取りながら、医療体制の万全を図ってまいります。

 

第4「はぐくむ心で“子育て支援”」

1点目「保育園」の整備

既にご案内のとおり名称が「黒笹保育園」に決まりました、きたよし地区新設保育園につきましては、施設の実施設計と造成工事を、「天王保育園」の建替えにつきましては、既存園舎の解体、仮設園舎の設置、造成工事を平成19年度に実施してまいります。両園とも平成21年度の開園をめざし、計画的に整備事業を推進してまいります。

2点目「子育て支援策」の充実

昨年発表された平成17年の合計特殊出生率は1.26と過去最低を記録し、平成18年は1.3台に回復するとの見通しもありますが、依然、少子化は大きな社会問題となっております。また、核家族化、地域社会との結びつきの低下、虐待の問題など、子どもを取り巻く環境も大きく変化しており、多面的な子育て支援策が必要であります。本町では、「第二次三好町児童育成計画(子どもいきいき夢プラン)」に基づき、子育て支援策を展開しているところでございます。
ご要望の多い児童クラブの拡充につきましては、平成19年度から、新たに黒笹小学校と中部小学校に開設するとともに、所長代理の配置や補助指導員を増員してまいります。また、子どもの発達遅れを心配する保護者の皆さまの負担軽減を図るため、母子通園事業の充実を図るほか、出前育児相談、親子交流支援事業、出産母子支援事業などを通じて、乳幼児における育児不安の解消や育児しやすい環境づくりに努めてまいります。

 

第5「人づくりを育む“教育の充実”」

1点目「食育」の推進

食は、人間の営みの基本であり、正しい食習慣により心身の健全な発達と豊かな人間性が培われるものであります。食育は、知育および徳育、体育の基礎となるべきものと位置づけさらに推進してまいります。
今定例会に「三好町食育推進会議条例(案)」を上程させていただきました。平成19年度には、三好町食育推進会議を設置し、食育全般についての研究、検討を行い、平成20年度に「三好町食育推進計画」を策定してまいります。

2点目「小中学校」の整備

平成18年4月に開校いたしました三好丘中学校に引き続き、平成19年4月には黒笹小学校を開校いたします。両校の開校にあたりご尽力をいただきました関係各位に対しまして深く感謝を申し上げます。
平成19年度には、児童数増加に伴う南部小学校におきまして校舎の増築を実施いたします。また、良好な教育環境の整備を目的として実施する校舎の大規模改修事業は、三好中学校において、平成19年度より向こう4箇年の整備計画で取り組んでまいります。

 

第6「築きあげる“安全なまち”」

1点目「防災対策」の推進

万一の災害から生命財産を守るため、民間木造住宅の耐震診断及び耐震改修への補助制度を継続するとともに、「三好町耐震改修促進計画」の策定に取り組み、被害を最小限にとどめるための意識付けと各種防災対策を推進してまいります。また、準用河川である茶屋川、砂後川の護岸整備などを計画的に進め、水害対策にも努めてまいります。

2点目「防犯対策」の推進

犯罪件数が増加する中、「地域の安全は自分たちで守る」との趣旨から、町内で19団体の自主防犯パトロール隊を結成いただき、自主的な防犯活動の輪が広がっていることは誠に心強い限りでございます。
平成19年度も青色回転灯の貸与、犯罪抑止用プレートの作成配布など自主防犯パトロール活動の一層の支援を図るとともに、豊田警察署との連携も図りながら犯罪のない安全で安心できるまちづくりに努めてまいります。

3点目「交通安全対策」の推進

悲惨な交通事故の発生を防止するため、危険箇所にカーブミラーやガードレールなどを計画的に整備するとともに、交通量が多く道幅が狭い道路の改良を行い、歩道を計画的に設置してまいります。また、運転者や歩行者に対する安全意識の高揚にも努めてまいります。

 

第7「まちの活性化へ“産業の振興”」

1点目「農業の振興」

最近は、都市化により農地と住宅地が混在した地域が増え、これまで環境資源として貴重な緑地を提供している農地や農業用水などを守ってきた既存の集落は、集落としてのまとまりが弱くなりつつあります。
平成19年度から「農地・水・環境保全向上活動推進事業」として、集落の機能を守るための支援を新たに実施するなど、集落の自然や景観などを守る、環境保全型農業の推進に取り組んでまいります。
また、耕作放棄地の利用集積を進めております、農業生産法人ファームズ三好では、現在50ヘクタール弱の農地で耕作を行っていますが、さらなる作業効率向上のため、高性能機械の導入を支援するとともに、担い手農家の育成、集落営農の推進にも努めてまいります。
さらには、土地改良事業による農地基盤整備なども計画的に行ってまいります。特に、三好下地区内においては、畑地帯総合土地改良事業を平成19年度からスタートしてまいります。

2点目「工業の振興」

三好町土地開発公社で進めてまいりました、莇生地区多機能用地開発事業につきましては、先月28日に進出企業5社との土地売買契約が完了したところでございます。
また、組合施工で行われております三好根浦地区特定土地区画整理事業につきましては、業務流通施設を中心として活発な誘致活動を展開され、既に立地もされております。
今後も引き続き、工業の振興に努めてまいります。

3点目「商業の振興」

町中心部にあります大規模商業施設や、東名三好インター付近での新商業施設のオープンなど、大型店舗の進出が目立っております。
こうしたなか、商工会では平成18年度から、新たな物販と飲食との融合店舗の開発や新市場の開拓などといった新しい取り組みへの調査、研究をされております。こうした活動に対し、平成19年度も引き続き支援を行うとともに、振興資金の貸付、経営改善の普及を図るなど、商業の振興に努めてまいります。

 

第8「迅速な“行政サービス”開かれた“行政運営”」

1点目「開かれた町政」の推進

私は、町長に就任させていただいて以来、“心の通う対話とガラス張りの町政”を一貫した基本姿勢として、開かれた町政の運営に努めてまいりました。
平成19年度におきましても、皆さまと語る会や提言箱を通して、皆さまのご意見・ご意向を直接お聴きしてまいります。また、パブリックコメント制度により広くご意見を拝聴するとともに、会議公開制度などにより行政情報を積極的に公表・公開してまいります。
なお、皆さまと語る会につきましては、新たな手法により対話の場を設けてまいります。

2点目「入札制度」の改革

昨年来より公共工事に関わる入札談合事件が数多く報道されております。昨年12月には全国知事会公共調達に関するプロジェクトチームによる「都道府県の公共調達改革に関する指針」の緊急報告があり、その中で一般競争入札の拡大と指名競争入札の原則廃止が示されました。
わが町では、平成19年度から建設工事に係る入札制度を改正し、指名競争入札から一般競争入札へ切り替えてまいります。

 

第9「見直し行動へ“行政改革”」

1点目「役場内の機構改革」

平成19年度より、町民の皆さまの生活に直接関わる手続きや、相談業務を一元化した町民生活部を新設するなど、皆さまにわかりやすい、簡素で効率的な組織および住民サービスのさらなる向上をめざして、機構改革を行ないます。
機構改革に伴い町長部局は5部1室28課から6部1室24課に、教育委員会事務局は2部9課から1部3課に統合します。

2点目「行政評価システム」の一層の充実

行政評価システムは、まちづくりの現状と課題を町民の皆さまにお示しするため平成18年度から本格導入いたしております。
平成19年度には、行政評価の結果を予算編成に反映させるとともに、総合計画の実施計画とも連動させて、効率的かつ効果的な行政運営をさらに推し進めてまいります。

 

●平成19年度当初予算規模

平成19年度の当初予算規模については、次のとおりです。

会計種別

予算額

前年度対比(%)

一般会計

228憶9,000万円

112.8

国民健康保険特別会計

36憶5,615万8千円

109.4

下水道事業特別会計

17憶820万3千円

91.6

老人保健特別会計

19憶6,490万4千円

102.7

農業集落排水事業特別会計

3憶3,501万5千円

98.9

介護保険特別会計

14憶1,896万5千円

109.6

やすらぎ霊園特別会計

3,838万8千円

100.3

病院事業会計

39億2,565万1千円

151.5

合計

359億3,728万4千円

113.5

 

●結びに

私たちの“ふるさと三好”は、先人先輩の英知と弛みないご努力により、伸展のあゆみを続けております。地方行政を取り巻く環境は、一段と厳しさを増すものと予想されておりますが、マニフェストに掲げさせていただいた政策の実践・実現はもとよりのこと、皆さまに住んでよかったと実感していただける“夢と緑と活力あるまち”の構築に向け、皆さまと共に、町政を推進してまいりますので、議員各位ならびに住民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

お問い合わせ

部署名:経営企画部秘書広報課(秘書担当)  

電話:0561-32-8032

ファクス:0561-34-6008

メールアドレス:hisho@city.aichi-miyoshi.lg.jp

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