最終更新日:2023年5月16日

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平成29年度市長施政方針

平成29年度施政方針_小野田市長

みよし市長

小野田賢治

 はじめに

 平成29年第1回みよし市議会定例会の開会にあたり、平成29年度の市政運営に対する所信を述べさせていただきます。議員の皆さま並びに市民の皆さまのご理解とご賛同を賜りたいと存じます。

 市長就任以来、3年余りが経過いたしました。この間、常に「誠実・挑戦・飛躍」をモットーにいたしまして、目指す都市像に「みんなで築きあげる 成熟したまち みよし」を掲げ、「住んでよかったと実感していただける魅力あるまち」の実現に向け、市政運営を進めてまいりました。平成29年は、私の任期の最終年となる節目の年であります。私のまちづくり政策であります8つの政策と23施策に取り組む「総仕上げの年」であり、総仕上げに相応しい施策展開を図ってまいります。

 みよし市は、平成28年3月に、「みよし市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン・総合戦略」を策定いたしました。現在、日本の総人口が減少している中、本市は、国の人口推計結果におきまして、2040年まで人口増加が続くという、全国でも数少ない恵まれた自治体の一つとなっております。しかしながら、今後は急速な高齢化の進行が見込まれているため、将来的な人口減少や超高齢社会を見据えた対策に取り組んでいかなければなりません。人口ビジョンに設定いたしました3点の基本的視点と、この視点を踏まえて総合戦略として掲げた3つの基本目標、

1つ目として、「若い世代の就労・結婚・子育て・教育などの生活環境基盤の整備」に対する「安心して子育てできる環境づくり」、

2つ目として、「若年層を中心とした生産年齢人口の転入・定住の促進」に対する「暮らしたいと思える環境づくり」、

3つ目として、「健康寿命の一層の延伸」に対する「誰もが健康に暮らせる環境づくり」につきましての施策を、積極的に推進してまいります。

 こうした中、本市の行政経営を計画的に進めるための指針であり、本市の将来像を描く第2次総合計画策定の準備を、平成28年度から進めております。平成29年度は、第2次総合計画の基本構想の素案を策定してまいります。7月末までに地域に出向いて、市民の皆さまの意見や思いをお聴きすることからスタートしていきたいと考えております。将来のみよし市、このまちの将来像につきまして、しっかりと議論を進めてまいります。

 平成29年度市政運営の重点取組施策

 平成29年度の本市の財政状況でありますが、歳入の大部分を占める市税につきましては、為替変動の影響による法人市民税の減収、また大規模償却資産の課税が一部県課税となることによる固定資産税の減収などにより、平成29年度市税の歳入予算額は、137億7,160万円と、平成28年度当初予算と比較して、マイナス9.4パーセント、14億3,300万円の減額を見込んでおります。

 一方、歳出につきましては、都市計画道路や三好中部特定土地区画整理事業の計画的な整備をはじめ、準用河川茶屋川における河川改良工事、莇生住宅やサンアートの大規模改修工事、天王児童クラブの建設工事、また福祉センター、給食センターなど公共施設の改修事業を実施してまいります。さらに、社会保障経費の増加や多様な行政需要が山積する状況を踏まえ、本市の重点施策をはじめとして、市民の皆さまの生活に直結する施策やまちづくりに係る事業など、すべての施策について着実に推し進めてまいります。

 財源につきましては、市税が減収となる中、財政調整基金から約14億4,600万円、公共施設維持管理基金など各種目的基金から、総額約11億4,000万円を繰り入れるなど、基金を有効に活用していくとともに、国県補助金などにつきましても最大限に活用し、対処してまいります。

 平成29年度の市政運営にあたりましては、本市の置かれた経済状況などを念頭に、総合計画の基本構想に掲げました「みんなで築く“ささえあい”と“活力”の都市(まち)」を目指して、6つの重点施策

1点目として、「安心して子どもを産み、育てられるまち」

2点目として、「地域力を高めて安全で安心して暮らせるまち」

3点目として、「安全で快適な住環境が整ったまち」

4点目として、「豊かな心と個性が輝くまち」

5点目として、「みんなで助け合える福祉のまち」

6点目として、「環境と人にやさしいまち」

を位置付けまして、地域の特色を生かしたまちづくりを引き続き推し進めてまいります。

 特に、子育て、教育、高齢社会への対応、災害や減災に関する施策、西三河5市の首長誓約を含めた環境に関する施策、そして、さらなる産業の振興と雇用の創出につきまして、将来を見据えて、しっかりと取り組んでまいります。

 平成29年度施政方針

  私は、市政を推進するにあたりまして、本市の総合計画を基本にして掲げた8つの政策と23施策を、まちづくり政策としてお示ししております。私が目指します都市像「みんなで築きあげる 成熟したまち みよし」の実現に向けまして、任期の最終年となります平成29年度、さまざまな施策に誠心誠意取り組んでまいります。

 それでは、平成29年度の施政方針として、まちづくり政策に掲げた施策の具体的な取組内容につきまして、8つの政策と23施策にそって、市民の皆さまの生活に関わりが深い政策を中心に述べさせていただきます。

  政策1 豊かさを実感できる「まち」づくり

   施策1 産業の振興による雇用の創出

 基幹産業であります自動車関連産業を中心にいたしまして、既存事業者の一層の高度化・高付加価値化の取組を支援いたします。また、産業構造の多様化を目指しまして、ベンチャー企業などの新産業の参入を支援する体制を確保するとともに、雇用の創出に努めてまいります。

 産業の振興と雇用の創出につきましては、平成26年度から検討を加えまして、平成27年度、平成28年度には、商工業活性化補助事業として、創業支援や事業合理化などの新規事業を展開するなど、この3年間、しっかりと取り組んでまいりました。平成29年度につきましては、この3年間の成果、進捗状況と課題を整理するとともに、次のステップにつなげる年度にしたいと考えております。

 そのほか、平成29年度は、市内への企業立地を推進するため、愛知県産業立地セミナーに出向き、主要企業や外資系の企業などの皆さまに、産業立地施策をPRいたします。また、企業支援の取組といたしまして、新規成長産業立地奨励制度やベンチャー企業家支援制度のほか、企業再投資促進補助金により、市内に立地する企業を引き続き支援してまいります。

 平成27年11月に開設いたしました「みよし市就労支援センター ジョブサポートみよし」につきましては、開所以来多くの皆さまにご利用いただき、平成29年2月末までの1年4カ月の間に、218名の就職が決定しました。平成29年度は、子育て中の女性や再就職を希望する女性のための就労支援セミナー、就労意欲はあっても就労できていない若年層のための就労支援セミナーを開催いたします。今後も女性や若者、高齢者など、総合的に就労を支援し、地域の雇用の安定に大きく貢献できるよう努めてまいります。 

  施策2 農業・中小企業・地場産業の支援

 農事組合法人や認定農業者を中心とした担い手農家への農地の集積に、引き続き努めるとともに、大型機械の導入推進や営農環境の改善に努め、働きやすく効率的で安定的な農業経営を支援してまいります。また、援農ネットなどの農業研修を通しまして、より多くの新規就農者を育成するとともに、小規模農業者の支援のあり方についても、しっかりと検討してまいります。

 平成28年11月、みよし産の「富有柿」の海外輸出促進プロモーションを行うため、香港を訪問してまいりました。香港の消費者から富有柿につきましての意見を直接聞けましたことなどは、渡航の大きな成果であったと考えております。平成29年度も引き続き、香港での果実海外輸出促進プロモーションを行うことで、みよし産の柿の認知度を高め、ブランド化を推し進めてまいります。

中小企業や小規模事業者の支援といたしましては、商工業活性化補助や信用保証料補助、小規模事業者経営改善資金利子補給、中小企業退職金共済事業補助などを継続して実施することで、新たな事業展開を支援するとともに、商工業の活性化に努めてまいります。

また、平成28年5月に策定いたしました創業支援事業計画に基づきまして、地域の雇用機会を創出するため、商工会や金融機関などと連携し、創業支援塾や個別相談事業を展開することで、地域全体で創業機運を高めてまいります。

  政策2 福祉・医療・介護支援の充実した「まち」づくり

   施策1 地域福祉推進の醸成と福祉施設や福祉サービスの充実

 住み慣れた地域で安心して暮らしていくことは、私たち市民の願いであります。平成28年3月に策定いたしました「みよし市福祉・医療・介護長期構想」に基づきまして、医療や介護が必要な状態となっても、できる限り住み慣れた地域で、安心して生活を継続していける環境の整備に努めてまいります。また、「第3期みよし市地域福祉計画」の基本目標であります「地域住民が互いに思いやり、支え合い、誰もが安心していきいきと暮らせる福祉のまちづくり」を推進していくために、市民や事業者の皆さま、行政が協働しまして、「誰もが暮らしやすい地域」にするための仕組みをつくってまいります。

 高齢者福祉につきましては、安心して生きがいを持って暮らせる地域づくりを進めていくために、平成29年度末までに「みよし市第7期高齢者福祉計画兼介護保険事業計画」を策定いたします。また、現在、事業者の選定を進めております、グループホームと、地域密着型特別養護老人ホームにつきましては、選定結果に基づく整備を進め、可能な限り住み慣れた自宅や地域で生活を継続できるように地域密着型サービスを実施してまいります。

 さらに、現在、市内1か所に設置しております地域包括支援センターを、4月には市内三か所とすることで、高齢者やその家族の皆さまを、介護・福祉・健康・医療など、さまざまな面から総合的に支援してまいります。

  施策2 高齢者が参加しやすい社会環境の整備と充実

 安心して暮らせる地域環境の実現のために、高齢者福祉施設の整備や自立を支援する福祉サービス、介護予防対策などの充実を図ってまいります。

 介護保険の要支援又は要支援状態となる恐れのある高齢者を対象に、住み慣れた地域で、できる限り健康で自立した生活を送ることができるよう支援する「介護予防・日常生活支援総合事業」を実施してまいります。

 また、新たに高齢者ボランティアポイント制度を開始し、元気な高齢者の皆さまがボランティア活動を通して、社会参加や地域貢献を行いながら、「生きがい」や「やりがい」を持って、自分らしく暮らし続けられるよう支援してまいります。

  施策3 障がい児・障がい者の療育、相談施設の充実と自立への支援

 障がいのある方や高齢者など、生活のしづらさを感じている人やその家族の皆さまのあらゆる相談に、ワンストップで対応できる相談窓口である「ふくしの窓口」におきまして、相談体制の充実を図ってまいります。

 また、平成28年7月にふれあい交流館内に開設いたしました「くらし・はたらく相談センター」におきましては、生活困窮者と障がい者の相談事業や就労支援の一層の充実を図るとともに、「ジョブサポートみよし」や「ハローワーク豊田」と連携し、就労支援機能を高めてまいります。

 さらに、児童発達支援事業所「よつば」におきましては、療養室を増築することで、定員を10人から15人に拡充してまいります。

  施策4 医療助成や医療体制の充実、迅速な救急体制の整備

 市民の誰もが健康でいきいきと生涯安心して暮らすことができるように、医療費助成や医療機関との連携により、医療体制を充実してまいります。

医療費助成につきましては、引き続き中学校卒業までの入院・通院への支援など、各種の助成を行ってまいります。

 みよし市民病院におきましては、内視鏡システムや眼内手術装置など、医療機器や設備を計画的に更新し、安全で効率的な医療を提供してまいります。

 さらに、市民病院の敷地内において、院内保育所の建設工事に着手してまいります。また、健康講座やリハビリ講座を継続的に開催するなど、市民病院と福祉・介護の連携を充実させる取組を推進してまいります。

 市民の健康推進につきましては、平成28年に改修を終えました総合体育館のトレーニング室を使いまして、健康診査のデータや体力チェックの結果を基に、保健師や健康運動指導士のアドバイスを受けながら、安全で効果的な運動メニューを行う「健康度評価事業(いきいき元気度測定)」を実施し、健康寿命を伸ばす環境づくりを進めてまいります。また、平成28年度にプレ事業として実施いたしました、健康に関する取組に対してポイントを付与する「健康マイレージ事業」を実施いたします。

 さらに、年齢を重ねるにつれてリスクが高まる脳血管疾患の早期発見のため、新たに脳ドックを市内医療機関に委託し、健康寿命の延伸を図ってまいります。

  政策3 ゆきとどいた子育て、充実した学習環境のある「まち」づくり

  施策1 保育サービスの充実と子育て支援

 住み慣れた場所で安心して子どもを産み・育てることができ、子育てと就労が両立できるように、保育サービスの充実、保育園と幼稚園との連携、育児能力の向上など、子育てをしている家庭の支援や、地域で支え合う環境づくりを進めてまいります。

 保育サービスの充実につきまして、平成29年度は、明知保育園の保育室改修工事とわかば保育園の大規模改修工事の設計業務に着手するとともに、既存の保育施設のスペースを有効利用することにより、乳幼児の受入れの拡大を図ってまいります。さらに、みよし市児童育成計画に基づきまして、小規模保育事業所の平成30年4月の開所に向け、平成29年度に公募を行い、一事業者を選定してまいります。また、保育時間の延長につきましては、なかよし保育園と打越保育園におきまして、1時間延長し、午後7時までといたします。なお、満18歳までを第1子とし、第3子以降の保育料、私立幼稚園の授業料について、所得制限を設けずに無料化にする事業につきましては、継続して実施することとし、多子世帯の経済的負担の軽減を図ってまいります。さらに、3歳未満児につきまして、保育園に入園するための保護者の就労要件を緩和し、より保育園に入園しやすくなるように改善してまいります。

 子育て支援につきましては、就園前や就学前のお子さんと保護者の皆さまが気軽に訪れ、情報交換や子育てに関する相談ができる「子育て総合支援センター」を、4月に旧中央図書館跡に開所いたします。

 また、保護者の皆さまが子育てに関する情報を手軽に入手することができるように、スマートフォン用の「子育て支援アプリ」を導入し、子育てに関する不安を解消するとともに、安心して子育てができるよう支援してまいります。

 放課後児童クラブにつきましては、平成30年度の開所に向けて、天王小学校の敷地内に天王児童クラブを建設いたします。また、平成31年度の開所に向けて、中部小学校の敷地内に中部児童クラブ建設のための測量設計を実施し、今後の受入れ児童の増加に対応いたします。

さらに、障がい児の保護者の皆さまの負担を軽減するため、障がい児医療的ケア支援事業を創設いたします。保育園や幼稚園、学校などにおきまして、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な児童・生徒に対し、訪問看護事業所などから派遣された看護師による適切な医療などの支援を行ってまいります。

 また、新たに母子支援事業といたしまして、母子保健コーディネーターを配置して、利用者支援事業や産前・産後サポート事業、産後ホームヘルプ事業を実施いたします。妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援により、母親の孤立感や負担感を軽減し、安心して妊娠・出産・子育て期を迎えることができるよう努めてまいります。

  施策2 学校教育環境の整備と充実

 本市では、平成28年3月に「学ぶ楽しさで、人と人とをつなぐ」を基本理念とした教育振興基本計画「みよし教育プラン」を策定いたしました。私のモットーであります「誠実・挑戦・飛躍」のとおり、この計画を「誠実」に実行し、新たな「挑戦」に臆することなく教育環境の整備と充実に努めることで、今後のみよし市のさらなる「飛躍」につなげていきたいと考えております。本計画、そして総合教育会議で策定いたしました「教育に関する大綱」に基づきまして、小中学生はもとより、全ての市民の皆さまが、学びの楽しさを感じられるような、教育の実現を目指してまいります。

 児童生徒数を1学級35人以下とする少人数学級につきましては、平成28年度に本市独自に中学2年生で実施いたしました。平成29年度は、さらに中学3年生まで拡大いたします。中学校3年間を通して、一人一人の生徒に寄り添ったきめ細かい指導が可能になると考えております。

 4月には、旧勤労青少年ホームを改修した教育センター「学びの森」を開所いたします。心身に悩みを抱える児童生徒とその保護者の皆さまへの相談・支援活動の充実を図るとともに、教職員の研修機能も備え、教職員の資質向上を進めてまいります。今後も、みよし市で学ぶ子どもたちの教育環境のさらなる整備と充実を図ってまいります。

  施策3  社会教育・生涯学習の一層の充実

 なお、教育環境の整備と施策3「社会教育・生涯学習の一層の充実」につきましては、後ほど教育長から教育行政方針で述べさせていただきます。

  政策4 安全・安心な「まち」づくり

  施策1 犯罪や交通事故のない安全な「まち」づくり

 犯罪や交通事故のない安全なまちづくりのために、地域での助け合いの力を高めるとともに、防犯対策の強化、防犯カメラの設置や交通安全教育の充実など、警察、地域と連携して、さらに安全・安心な「まち」づくりを進めてまいります。

 地域の自主的な防犯活動に対する支援につきましては、自主防犯組織への防犯用品の支給、防犯カメラの設置費の補助、防犯灯の設置など、地域の安全のための支援を継続して行ってまいります。平成29年度の新たな取組といたしましては、住宅侵入盗対策として、希望者宅を戸別訪問し、各戸の実情に沿った防犯診断を行い、アドバイスをすることで、市民の防犯意識の向上を図ってまいります。

 交通安全対策につきましては、豊田警察署と連携し、交通弱者である園児や小学生、高齢者の交通安全教室を開催するなど、交通安全の啓発活動を推進してまいります。また、カーブミラーの設置や歩道の整備、歩行者の安全対策を進めてまいります。

 なお、消費者トラブルの未然防止につきましては、今後もさらに啓発活動を推進し、消費者教育の一環として賢い消費者の育成に努めるとともに、近隣市町とも連携を図りながら、継続的に相談窓口の充実、強化を図ってまいります。

  施策2 自然災害(大地震・豪雨)に対する防災対策の強化

 東海・東南海地震などの大地震やゲリラ豪雨などによる自然災害に強く、安全なまちづくりのために、地域の防災力を高めるとともに、総合的な防災対策の推進、消防体制の充実などをさらに進めてまいります。

 自然災害から命、財産を守るためには、自分の身は自分で守るという「自助」としての自分自身、「共助」の担い手である自主防災組織や住民、また「公助」の担い手としての行政が、それぞれの役割を果たしていくことが大切であります。

 公助といたしまして、平成29年度は、この三月に策定いたします業務継続計画(BCP)を反映させた「第3次みよし市大規模地震対策アクションプラン」を策定し、本市における防災対策への推進体制を整備してまいります。なお、本プランでは、大規模地震とともに、浸水被害等の風水害につきましても、災害対象に盛り込んだ内容とする予定であります。また、平成28年度から実施しております防災ラジオの普及事業につきましては、引き続き300台を有償で配布するとともに、帰宅困難者支援マップを作成し、帰宅困難者対策を進めてまいります。さらに、広域避難場所に新たにバルーン投光器を整備するなど、災害対策用備蓄品や災害用非常食の充実を図ってまいります。また、ゲリラ豪雨などの雨水対策といたしまして、雨水貯留タンク設置補助制度を新たに設け、河川等への急激な雨水の流入を抑制することで、洪水浸水被害の軽減を図ってまいります。

 そのほか、新たに名古屋大学の受託研究員等受入制度を活用いたしまして、職員1人を名古屋大学に1年間派遣し、自主防災組織の効率的な組織化などを研究することで、今後の本市の防災・減災施策に生かし、「安全で安心して住み続けることができる地域」の実現に寄与してまいります。

 共助といたしまして、平成29年度の新たな取組として、自主防災会や防災関係団体において防災ワークショップを開催いたします。地域の防災活動の原点となる自主防災組織の活性化を図ることで、継続して活動できる環境づくりを進めてまいります。

消防体制の充実につきましては、尾三消防本部と消防団との訓練を通じた災害対応の連携、地域における消防防災組織の強化を継続して図ってまいります。また、平成29年度は、消防団員加入促進事業として、学生消防団活動認証制度や消防団協力事業所表示制度を導入してまいります。

  施策3 安全性の高い市街地の整備

民間住宅の耐震化支援や道路のバリアフリー化などを図り、いつまでも住み続けることができる安全で快適な住環境の整備を目指してまいります。

 平成29年度は、新たに狭あい道路の寄附等への補助制度を開始し、災害時や緊急時に緊急車両が乗り入れしやすいようにすることで、安全な市街地の形成を進めてまいります。また、空き家活用事業補助制度を創設し、親世帯と子世帯が同居や近居をするための住宅取得などに対して支援をすることで、空き家対策と定住、移住促進など、住み続けたいと思える環境づくりを進めてまいります。

なお、ため池の防災対策につきましては、県と連携して、市民の生命や財産を守るため、保田ケ池の耐震対策を引き続き進めてまいります。

  政策5 魅力と活力のある「まち」づくり

  施策1 中心市街地・駅前の「にぎわい」の創出とサンライブ・カリヨンハウスなどによる「つどい」の創出 

 中心市街地の「にぎわい」の創出につきましては、平成28年7月に、みよし市図書館学習交流プラザ「サンライブ」がオープンし、中心市街地の人の流れに変化が生まれております。そうした中、平成29年度には、「みよし市中心市街地基本構想」を策定し、市役所をはじめ、サンライブや福祉センターなどの公共施設や大規模商業施設などが集まる中心市街地において、まちの魅力を高め、賑わいを創出するために、中心市街地における目指すべき将来像と土地利用の考え方や都市機能整備の方向性などを定めてまいります。

三好ケ丘駅の「にぎわい」の創出につきましては、平成28年3月に策定いたしました「三好ケ丘駅周辺地区魅力づくり方針」に基づきまして、駅前広場と駅周辺の幹線道路の再整備を行うための実施設計業務を実施してまいります。

三好中部特定土地区画整理事業地内の都市計画道路の整備や三好中島地区の地区施設整備につきましても、関係機関との調整を積極的に行いながら推進してまいります。

  施策2 各行政区活動への支援とコミュニティを中心とした協働の「まち」づくりの推進

 各行政区活動への支援につきましては、行政区の実情や特性にあった使い道で柔軟に予算配分ができる制度であります「行政区一括交付金制度」を継続して実施し、行政区活動や行政区の円滑な運営を支援してまいります。

 また、行政区からの環境整備に関する要望、生活に直結した要望等につきましても、緊急性や重要度などを検討し、迅速に対応するように努めてまいります。

 コミュニティ推進協議会への支援といたしましては、自主防災活動や防犯、世代間の交流を深める活動などに対しまして、一括交付金を交付するなど、コミュニティを中心とした協働のまちづくりを推進してまいります。

 なお、地区拠点施設整備につきましては、きたよし地区拠点施設の実施設計に着手してまいります。

  施策3 友好都市などとの交流活動の促進と周辺市町との交流事業の推進

 友好都市などとの交流活動の活発化、文化・スポーツ・教育を通じた交流の促進、周辺市町との交流事業を進めてまいります。

 友好提携を締結しておりますアメリカ・インディアナ州コロンバス市との交流事業につきましては、毎年実施しております中学生の派遣事業や教育親善大使の受入れを引き続き実施し、交流を深めてまいります。

 国内の友好都市交流につきましては、産業フェスタへの参加など、産業交流を継続していくとともに、区長会をはじめとする各種団体の自主的な交流活動を支援してまいります。また、北海道士別市への小学生の派遣事業を継続実施していくとともに、野球とサッカーの小学生スポーツ交流活動の支援を行ってまいります。長野県木曽町との交流につきましては、宿泊助成など観光産業への支援も含めて交流を継続してまいります。

 また、周辺市町との交流につきましては、西三河市長会など自治体間の連携を図り、地域資源を有効に活用したまちづくり交流を促進してまいります。平成29年度は、新たに尾三地区自治体間連携協力により、職員の人事交流(職員の相互派遣)を開始し、連携市町間の緊密かつ効果的な公務の運営を図ってまいります。

  政策6 健康で生きがいのある暮らしができる「まち」づくり

  施策1 みんなで助け合い、支え合う交流活動の推進

 地域住民が地域で安心して生活できるよう、地域において支え合い、生きがいづくりや健康づくりといった交流活動を推進してまいります。

 高齢者人口が増加する中、一人暮らしの高齢者や、高齢者のみの世帯が増えております。高齢者の見守り支援サービスとして、「緊急通報システム事業」などの「地域支え合い体制づくり事業」や「認知症総合支援事業」など、地域で支える体制づくりを促進し、各種サービスの充実に努めてまいります。

  施策2 各種文化・芸術活動への支援、文化・にぎわいにふれあう機会の創出

 

  施策3 生涯スポーツの振興による、健康の増進と地域交流の促進

 

 施策2「各種文化・芸術活動への支援、文化・にぎわいにふれあう機会の創出」と施策3「生涯スポーツの振興による、健康の増進と地域交流の促進」につきましては、後ほど教育長から教育行政方針で述べさせていただきます。 

  政策7 人と自然が共生する心地よい「まち」づくり

  施策1 公園・緑地の整備と循環型社会の構築

 現在、整備を進めております保田ケ池公園につきましては、既存の樹木を生かした整備方針のもと、平成32年度末の完成に向けて、3.2ヘクタールの拡張工事に取り組んでおります。平成29年度は、植栽工事、園路工事、ビオトープ整備などを実施してまいります。

 また、順次整備を進めております三好公園につきましては、平成29年度からは、散策やジョギングなどを楽しむ利用者のために、休憩エリアとして東公園の造成工事、園路工事などの再整備を行い、市民に親しまれる公園づくりを目指してまいります。

 そのほか、細口公園におきまして、「身近に行くことができる公園で健康づくりをしたい」という高齢者のニーズに応えるとともに、健康寿命を延伸するため、ぶらぶらストレッチや背のばしベンチなど、5つの健康遊具を設置してまいります。

  施策2 省資源・省エネルギー対策や新エネルギーの活用の促進

限りある資源の有効活用を図るため、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進によるごみの減量化を推進し、新エネルギーの活用促進を図るとともに、自然環境の保全などを継続して進めてまいります。

 温室効果ガスの大幅な削減等への対応について、本市と岡崎市、豊田市、安城市、知立市の西三河5市が連携して、一体的に取り組むため、平成27年12月に日本版「首長誓約」に国内で初めて署名いたしました。この3月には、5市におけるエネルギーアクションプランを策定し、平成29年度からは、西三河五市の連携による事業を実施してまいります。本市といたしましては、エコエネルギー促進事業として、住宅用太陽光発電システムや燃料電池システム、家庭用蓄電システム、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)、電気自動車等充給電設備などの設置費補助、また燃料電池自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車などの購入費補助を継続してまいります。

 さらに、平成29年度は、電気自動車やプラグインハイブリット自動車の充電設備の設置や、市民病院の院内保育所への太陽光を利用した空調設備の導入、また市内道路照明灯のLED化の継続実施などにより、地球温暖化防止のための取組を進めてまいります。

  政策8 行財政改革のさらなる推進

  施策1 市民から信頼される行政サービスの提供

 職員の人材育成、行政組織の効率化を進め、さらに市民に愛される職員、市役所となるよう職員全員が市民サービスの向上に取り組んでまいります。

 平成28年度にマイナンバーカードを用いたサービスといたしまして、全国のコンビニエンスストアで住民票の写しや印鑑証明書などを交付するサービスを始めました。平成29年度は、新たに市・県民税所得課税証明書の交付を開始し、さらなる市民サービスの向上に努めてまいります。

  施策2 効果的・効率的な財政運営、行財政基盤の体質強化

 行政改革大綱に基づき、さらなる改革を進めるとともに、行政評価結果を予算へ反映し、より効果的な行財政運営を効率的に進めてまいります。また、市民と行政の協働によるまちづくりを推進していくために、経営システムにおいてPDCAサイクルを回してまいります。

 本市のまちづくりの基本となります総合計画につきましては、市の目指す将来像やそれを実現するための施策のあらましを掲げた「基本構想」と、基本構想を実現するための根幹的な施策や目標数値を示した「基本計画」により構成されており、本市のまちづくりの指針となっております。現在、平成30年度までの3年間をかけて、第2次総合計画の策定を進めているところであります。平成28年度は、計画策定の基礎調査や市民アンケートによる市民ニーズの把握を実施いたしました。平成29年度は、7月末までに地域に出向き、地区の意見集約懇談会におきまして、市民の皆さまの考えや思いをしっかりとお聴きして、基本構想の素案を作成してまいります。

  施策3 行政の透明性の向上と的確な情報提供

 広報みよしやホームページ、ケーブルテレビ、コミュニティFMなどを効果的に活用し、積極的に市民の皆さまへ市政に関する情報発信を行ってまいります。また、市が保有する行政情報を積極的に提供するとともに、附属機関などの会議の公開を推し進め、行政の透明性の確保に努めてまいります。

 平成29年度は、新たな取組といたしまして、夏まつりなどのイベントをドローンにより空中撮影いたします。これまで以上に魅力的な広報みよしやホームページを提供し、新しい情報発信により、本市のPRを推進してまいります。

 現在、本市の魅力をPRするため、プロモーション動画を配信しているところであります。平成29年度は、シティプロモーションPRポスターを作成し、多くの皆さまに見ていただけるよう名古屋駅や知立駅、赤池駅等で掲示してまいります。また、シティプロモーションロゴ入り「のぼり」によるPR、さんさんバスのボディを利用してのPR、サンライブの情報の道でのプロモーション動画の上映など、積極的なPR活動を展開してまいります。

 

以上、まちづくり政策に掲げました施策の概要を述べさせていただきました。

 

 わがみよし市は、先人、諸先輩方をはじめ、市民の皆さまのご努力とご尽力により財政的にも恵まれたまちとして、伸展の歩みを続けてまいりました。先人たちに築き上げていただいた、その「歴史と伝統」を受け継ぎ、住む人が誇りと愛着の持てるまちづくりを進めてまいります。議員各位をはじめ市民の皆さまに、一層のご理解とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

  平成29年度当初予算規模

 一般会計は、223億6,800万円で、対前年度比マイナス7.3パーセントとなっております。

  特別会計6会計の予算総額につきましては、99億339万8,000円で、対前年度比マイナス6.9パーセントとなっております。

 

 病院事業会計は、38億9,026万5,000円で、対前年度比プラスの6.3パーセントとなっております。一般会計、特別会計、病院事業会計を合わせますと、総額361億6,166万3,000円で、対前年度比マイナス5.9パーセントとなっております。

 

 

 さて、今定例会に提出いたしますのは、議案が条例の一部改正など27件、同意案件が1件、報告が2件、あわせまして計30件でございます。

詳細につきましては、後ほど、副市長ほか担当部長よりご説明申し上げます。慎重なるご審議をいただき、原案どおり可決いただきますようお願い申し上げます。

 

 議員各位並びに市民の皆さまにおかれましては、これまで以上にご支援とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げ、平成29年度の施政方針といたします。

 

お問い合わせ

部署名:経営企画部秘書広報課(秘書担当)  

電話:0561-32-8032

ファクス:0561-34-6008

メールアドレス:hisho@city.aichi-miyoshi.lg.jp

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