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最終更新日:2023年5月16日

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令和3年第4回みよし市議会定例会 (所信表明)

 市長議会写真2

 

   令和3年第4回みよし市議会定例会の開会にあたり、市政運営に係る所信を明らかにする機会をいただきましたことに対し、議長はじめ議員の皆さまに厚くお礼申し上げます。

 

   この度の市長選挙におきまして、第3代みよし市長の任を担わせていただくことになりました小山祐でございます。私に課せられた使命と責任の重さに、身の引き締まる思いであります。この上は市政各般の推進につきまして全身全霊を捧げ、その責務を果たしていく所存であります。何とぞ議員の皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げますとともに、市政運営につきましても格段の御協力をお願い申し上げます。

 

  それでは、議員ならびに市民の皆様に市長就任のご挨拶と所信の一端を申し上げます。私は先の選挙におきまして、新型コロナウイルス感染症によって深刻な影響を受けた地元企業の事業活動や市民生活の回復を喫緊の課題として取り組むとともにコロナの収束如何に関わらず、近い将来必ず直面するカーボンニュートラルや高齢社会、デジタル化など社会構造の大きな変化に対応できる街づくりの必要性を訴えてまいりました。いずれも根底にあるのは、みよしの将来に対する強い危機感であります。とりわけ、みよしは自動車関連産業とともに発展してきた街でもあることから、特にカーボンニュートラルへの対応は、車の電動化によって市内関連産業も含めた雇用に深刻な影響を与えることが懸念され、市の税収構造をも大きく変えかねないという点を真剣に考えていかなければなりません。そしてその影響は自動車産業のみならず現在、豊かな財源を基に行っている市の教育や福祉などの施策や行政サービスの質に大きな影響を与えることにもなることから、カーボンニュートラルや水素社会への対応が今後の市の将来にとって大きな意味を持つことになると考えます。さらに、カーボンニュートラル、水素社会への転換に向けた役割は、民間企業のみが負うべきものではなく、社会全体で負うべきものであるとの認識の下、市としてもインフラ整備を始めとした基盤整備を進めるとともに市民への啓発など、早期に必要な施策の展開を図ってまいります。

 

  また、今後の税収見通しは、社会保障費の増大による 歳出額全体の増加が見込まれる中、コロナの影響による個人消費の低迷などによる税収の下振れや国による地方法人税の一部国税化の影響などによって企業業績が以前に比べ、税収に反映されにくくなるなど、制度的な歳入面の減少と合わせ、厳しい見通しが予想されています。市の財政見通しでは、令和4年から令和6年にかけて 歳入は約15億円減少し、現在57億円ある財政調整基金も3年後には12億円にまで減少すると見込まれています。このような財政状況の中、本市が持続的な発展を続けていくためにとるべき方針は、歳入の減少に合わせ歳出を絞り込むことではなく、将来を見据え、市の発展や安定した生活基盤の確保のため、税源涵養に向けた投資を積極的に行い、歳出の増加を賄うだけの税収の増加を目指していくことであると考えます。

 

  こうした基本的な考え方の下、私は本市の課題に向き合い、乗り越えていくため、7つの柱からなる50項目のマニフェストを掲げさせていただきました。以下、その概要を順次ご説明申し上げます。

 

   1つ目の柱は「コロナの感染防止と経済活動の両立支援」であります。現在、コロナの新規感染者数は低く抑えられている状況ではありますが、新たな変異株の流入や第6波の発生が懸念されている状況であり、感染予防の取組や3回目のワクチン接種体制の整備は急務であると考えます。また、コロナの影響を受けた中小・小規模事業者の事業継続や雇用の維持確保のため、当事者が真に必要とする支援策を調査、策定するため、早急に関係団体等からの意見聴取と実態把握を進め、国や県の施策とも連携を図りながら、必要に応じ市独自の施策も展開することにより、コロナの感染防止と社会経済活動の両立を目指してまいります。また、これらの施策を、効果的かつスピード感を持って実行に移すことにより、今後懸念されるコロナ感染の第6波の抑え込みと、市内事業者が、withコロナ、アフターコロナを見据えた事業展開ができるよう支援してまいります。

 

   2つ目の柱は「地域の活力を支える産業振興」であります。本市は言うまでもなく、自動車産業を基幹とする街であり、その特色と強みを活かし継続していくために次世代自動車の普及に向けた支援の充実や水素ステーション、充電インフラの整備を加速するとともに、自動運転の社会実装に向けた実証実験の実施や社会基盤整備を目指してまいります。また、地域に根差した地元事業者は、その事業活動以外にも防犯や防災、地域活性化、伝統文化の継承など地域に果たす役割があることを鑑み、市発注契約においては、地域の発展に寄与いただいいている企業を適切、公正に評価するとともに効果的な育成、支援策の充実を図ってまいります。そして、本市の特産品である果樹を始めとした農業分野についても、後継者不足を補う新規就農者の確保対策や担い手支援、育成に対する取組を推進し、所得の確保を含め、就農者が「希望の持てる農業」となるよう努めてまいります。

 

  3つ目の柱は「未来を担う子どもを育む教育、子育て支援」であります。将来を担う子どもたちは地域の宝であり、社会全体で子どもを育てていくという意識をより一層醸成するとともに、子どもや子育て世帯に対する実効的な支援体制が不可欠であります。また、子どもたちはそれぞれがかけがいのない可能性をもっていますが、同時にその可能性を引き出し伸ばしていけるかはその子どもを取り巻く教育環境が大きな影響を与えます。一方、子どもたちは今を生きる主体でありながら、自らの教育環境を自ら選び取ることも作り上げていくことも出来ません。そのため私たちがその役割を担って参ります。その実現に向け、地域全体で子どもの学びや成長を支える、みよし市版コミュニティースクールを推進するとともに、少人数学級の推進と教科担任制の拡充を目指し、子どもたちの可能性を引き出し、伸ばす教育環境の充実に努めてまいります。また、子どもたちを取り巻く課題に迅速かつ的確に対応するため、スクールロイヤーやスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの拡充を図ってまいります。併せて、待機児童の解消や病児保育など、仕事と子育ての両立支援の拡充を目指してまいります。

 

  4つ目の柱は「住み慣れた地域で暮らし続けられる医療福祉」であります。現在、みよし市は県内でも有数の若い街ではありますが、15歳未満の年少人口は既に減少を始めており、三好ケ丘の住宅開発を始めとした人口急増期に移住された方々が今後、高齢期を迎えるにあたり、在宅医療や介護、入所施設の整備や認知症、予防医療などの取組を進めていかなければなりません。人生100年時代と言われる中、平均寿命と自立して健康に生活できる健康寿命の差をいかに縮め、生活の質を高めていけるかがこれから、ますます問われてくることから、病気になった後に「治療する医療」とともに病気にならないように生活の質を高めていく「支える医療」の充実を図ってまいります。併せて、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるため、医療、介護、予防、生活支援、住まいの提供など切れ目のない支援や多職種連携の在宅医療、認知症施策の拡充を図ってまいります。加えて高齢化の進展に伴い、障がい者あるいは障がい者の親の高齢化もこれから顕在化することから、親なき後の生活の基盤づくりも着実に進めてまいります。

 

  5つ目の柱は「市民の命と財産を守る安全対策」であります。近い将来、発生が危惧される南海トラフ地震を始め、災害に備え市民の安全を守る施策を講じていくのは行政の重要な役割であります。そのため災害時に想定される被害を少しでも減少させ、市民の生命と財産を守るため、防災・減災対策を推進するとともに、自主防災組織を強化・育成し、地域の防災関係機関のネットワークづくりや防災リーダーの育成を支援してまいります。また、災害時要配慮者の把握と災害時における情報提供、支援体制の整備を図るとともに地域防災の要である消防団の加入促進と活動支援を図ってまいります。加えて、日常生活における犯罪被害と交通事故防止に向け、防犯カメラの費用助成や交通事故の地域別・原因別の効果的な対策を検討するともに通学路の安全対策、歩行者保護施策を推進してまいります。

 

  6つ目の柱は「官民連携による行財政改革」であります。現在、社会のデジタル化は急速に進んでおり、本市においてもその環境変化に乗り遅れることなく、限られた財源と人材を効果的・効率的に活かし、デジタル化社会、デジタルトランスフォーメーションへの施策を着実に実施し、行政組織の業務効率化はもとより、様々な行政サービスの効率化により住民満足度の向上とその利便性を実感できる社会づくりを目指してまいります。また、民間の資金とノウハウを活用した行政手法の多様化を推進し、今後の社会情勢の変化に柔軟に対応できるよう、実効性のある施策の策定を図ってまいります。加えて、市発注事業における入札については、価格だけではなく環境、福祉など事業者の社会的価値の実現や労働者の適正な賃金、労働条件などの公正労働を評価するため、政策目的型入札としての公契約条例の制定を目指し、本市が推進する理念や政策実現に向け、官民が連携してその実現に取り組んでまいります。

 

  最後の7つ目の柱は「みよしの未来を切り拓くビジョンづくり」であります。広大な海を航海する船がその目的地に迷うことなく辿り着くためには、海図と羅針盤が必要なように、街づくりにもその目標と針路を示すビジョンが必要であります。本市は先に述べたようにこれから多くの課題に向き合い、その課題を乗り越えていかなくてはなりません。そこに定められた答えがあるわけではなく、悩み、模索しながらその解決策を見出していかなくてはなりません。そのため、市民の皆さんとの丁寧な対話と行政のリーダーシップによってこれからみよしが進むべき方向性、目指すべき姿をともに作り上げ、一つの政治哲学を持った一貫性ある施策の展開を目指してまいります。また、その際、具体的な政策立案を担う職員の育成は 最も重要な点であり、意欲と能力のある職員を抜擢し、活躍の場を与えるとともに職員の育成、特に分野ごとの専門性を持った職員の計画的な育成を図ってまいります。

 

  以上、マニフェストの各柱を構成する考え方の概要を説明させていただきました。これら取組を着実に実行し、将来に希望の持てるみよしの実現のため全力で取り組んで参ります。また、これら施策を実施する過程においては、時に思うような成果が挙げられないこともあるかもしれません。しかし、失敗を恐れ挑戦しないのではなく、失敗してもそれを次につなげ、何度でも立ち上がっていける街を作っていかなくてはなりません。

  

  私は県議として県内外のいわゆる先進事例と言われる取組を多く見てきました。そこで共通していたことは、交通の便や人口、財政的に恵まれていない中にあっても、地域の社会資源を見つめ直し、その地域の持つ力や魅力を再発見し、それを活かそうとしてきた結果であるということであり、同時に困難に直面する中で地域の人が危機感を共有し、知恵を出し合い、行動できる人がいたということであります。私はそうした経験から、街の強さというのは人口でも面積でも、ましてや財政力でもなく、その地域のことを思い、地域のために汗をかける人がどれだけいるかであると考えます。みよし市はこれから更に素晴らしい街になることができます。なぜなら、それを望む多くの市民と、その実現のために行動できる多くの人たちがいるからです。私たちが目指すべき街づくりはすぐには実現できないかもしれません。私の任期の4年間でも実現できないものもあると思います。

 

  それでも歩み始めようではありませんか。小さくても具体的な一歩を踏み出していくことこそが 目的地へ辿り着く唯一の手段です。街づくりは、行政だけが担うものではありません。市民一人ひとりが担い、共に作り上げていくものです。制度政策は、行政だけが作るものではありません。そこに暮らす皆さんの声と想いが政策を作り上げていきます。

 

  共に考えていこうではありませんか。将来への不安を希望へと作り変えていくために、今私たちが取り組まなくてはならないことを。

 

  共に作り上げていこうではありませんか。私たちが自信と責任を持ち、子や孫たちに誇りと愛着の持てるこの街の将来を。

 

  共に手を取り合っていこうではありませんか。一人ひとりの生き方が尊重され、喜びと困難を分かち合っていける社会のために。

 

  そして、共に挑戦しようではありませんか。この街で叶えられない夢はないと、そう私たちが確信し困難を乗り越える力強さをもった街をつくるために。

 

  私は皆さんとともにこのみよしの将来を切り拓く一歩を踏み出したいと思います。みよしの未来のために皆さんの力をお貸しください。私たちの世代だけでなく、皆さんの子や孫の世代のために、そしてこれから続くみよしをふるさととする世代のために、どうか力をお貸しください。そして皆さんで共に希望の持てるみよしの将来を作り上げていこうではありませんか。そのために私の持てる力の全てを注ぎ、その実現に努める覚悟であります。議員ならびに市民の皆様のご理解とご支援を心からお願い申し上げまして私の所信の一端とさせていただきます。

 

  さて、今定例会に提出いたしました議案は、

 ・専決処分の承認を求めることについて 2件

 ・条例の一部改正が 2件

 ・補正予算が    5件

 ・市道路線の認定について 1件

 ・人権擁護委員の推薦につき意見を求めることについて 2件

 ・報告案件が 1件の

  合計13案件であります。

 

  詳細につきましては、後ほど副市長、担当部長から説明をさせていただきます。慎重なるご審議をいただき、原案どおり可決いただきますようお願い申し上げまして、開会のごあいさつとさせていただきます。

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