キーワード検索
火災に備える
火災は、毎年2,000人前後の死者を出す、最も身近で恐ろしい災害です。地震や台風などの自然災害と違って、そのほとんどが人為的な原因です。火災の被害に対する備えだけでなく、火災を起こさないための心がけも必要です。
火災とは
火災の定義
火災とは、次の3つの要素を全て満たすものです。
- 人の意図に反して発生する(放火を含む)。
- 消火の必要のある燃焼現象。
- これを消火するために消火施設などの利用を必要とする。
または、人の意図に反して発生した爆発現象を火災といいます。
ですから、たき火や花火などは火災にあたりません。
火災の発生原因
火災の発生原因で一番多いのは「放火」で、毎年、火災の原因の1割以上を占めており、「放火の疑い」を含めると全体の2割ほどになります。
このほかの主な原因は、「コンロ」、「たばこ」、「たき火」などとなっており、人の不注意によるものがほとんどです。
火災を起こさないために
身のまわりには、火災の原因となるものが多くあります。何が危険なのかを理解し、火災の発生を防ぎましょう。
家の周りの可燃物
家のまわりやマンション・アパートの通路などに新聞や雑誌が積まれていることがあります。これらを狙って放火されることがありますので、燃えやすいものを目につく場所に置かないようにしましょう。
たばこの不始末
ポイ捨てされたたばこが枯れ草などに引火して火災が発生します。また、灰皿のたばこの不始末や寝たばこによる火災は、住宅火災の原因になります。
たばこのポイ捨てや寝たばこは絶対にやめましょう。また、灰皿にたばこを放置するのはやめましょう。
コンロ
コンロの消し忘れにより火災が発生するケースが後を絶ちません。少しの時間でも台所から離れるときはコンロの火は消しましょう。
たき火
たき火がまわりの枯れ草などに燃え移ったり、火の粉が飛んで火災が発生することがあります。また、たき火を放置して燃えかすが風で飛んだり、消したつもりのたき火が再び燃え出して火災の原因になります。
たき火をしたら、水をかけて確実に消火したことを確認しましょう。また、風の強い日のたき火はやめましょう。
マッチ・ライター
マッチやライターでの子どもの火遊びが火災の原因になることがあります。留守番中の子どもがライターやマッチで遊んで火災になり、逃げられずに亡くなるケースが後を絶ちません。また、コンロのそばに置いたライターが熱で発火することもあります。
マッチやライターは絶対に子どもの手の届かないところに保管し、火の元の近くにも置かないようにしましょう。
ストーブ
石油ストーブや電気ストーブなどで洗濯物を乾かしていたり、ストーブのそばに新聞や雑誌などを置いていて火災が発生することがあります。また、石油ストーブを消さずに給油をし、こぼれた灯油に引火して火災になることがあります。
ストーブの近くには衣類や紙など燃えやすいものを置かないようにし、給油のときは必ずストーブを消してから行いましょう。
電気コード
コードを踏んだり、たばねたり、たこ足配線にするなどにより、コードやコンセントが発熱して火災になることがあります。また、コンセントに積もったホコリが発火したり、ペットがコードをかじって発火することがあります。
たこ足配線などしないようにしましょう。またコンセント付近はホコリのたまりやすい場所です。定期的に掃除をしましょう。
スプレー缶・ガスボンベ
殺虫剤などエアゾール製品のスプレー缶や、カセットコンロのガスボンベは、コンロやストーブのそばに置いておくと熱せられて爆発することがあります。また、火の気のあるところでスプレーを使用したり、カセットコンロのボンベの装着不良により火災になることがあります。
殺虫剤やカセットコンロは使用上の注意をよく読み、正しく使いましょう。
ろうそく・線香
仏壇のろうそくや線香、アロマキャンドルなどを放置して気づかないうちに倒れたり、ペットが倒すことがあります。
燃え尽きるまで放っておかずに、一定時間で消すようにしましょう。
風呂
風呂の空だきは火災の原因になります。水が入っていることを確認してからスイッチをいれましょう。
火災が発生したら
火災は出火直後の「通報」「初期消火」「避難」が大切です。優先順位は状況により異なりますが、慌てず冷静な判断を心がけましょう。
通報
火災の発生を周囲や消防署に知らせましょう。
- 大声で「火事だ!」と叫んで周囲に知らせましょう。
- 声が出ない場合は、やかんなど大きな音の出るものを打ち鳴らしたり、非常ベルを押すなどして周囲に気づいてもらいましょう。
- どんな小さな火事でも必ず119番通報しましょう。
119番通報の手順
- 電話で119番にかけます(携帯電話からでもかけられます)。
- 消防署が電話に出て「火事」か「救急」か聞かれますので「火事」と答えます。
- 消防署が場所や燃えているものなどを聞いてきますので、落ち着いて答えましょう。
初期消火
初期消火は出火直後が勝負です。落ち着いて勇気を持って初期消火をしましょう。
- 近くに消火器がない場合、座布団や毛布など、手近なものを活用しましょう。
- 鍋の油が燃えたときは消火器がない場合はぬらしたバスタオルなどをかぶせて空気を遮断するのも有効です。
マヨネーズや野菜を投げ込むのは油が少ないときは油の温度が下がって有効な場合がありますが、失敗するとかえって危険なのでやめましょう。 - 消火器を使用するときは、消火器の煙で前が見えなくなりますので、必ず逃げ道を背にして行いましょう。屋外では風上にまわって使用します。
- 電気器具が出火したときは、水をかけると感電することがあります。コンセントを抜いてから消火しましょう。
- 火は上に燃え広がると初期消火が難しくなりますので、カーテンは引きちぎってから消火、障子やふすまはけり倒してから消火します。
避難
消火が無理だと思ったら、無理せずに避難をしましょう。
- 天井に火がまわったら初期消火をあきらめて避難しましょう。
- 逃げるときは、部屋の窓やドアを閉めて空気を遮断しましょう。
- エレベーターは火災による停電で止まることがあるので使ってはいけません。
- 火災で危険なのは煙です。火災の死者の多くは、一酸化炭素など有毒ガスを含んだ煙を吸って中毒死したり、動けなくなって逃げ遅れることによるものです。
- 煙が上にあがる速度は人が階段をかけ上がるよりも速いので、上ではなく横方向へ避難しましょう。
- 煙を吸わないようにハンカチなどで鼻と口を覆い、体を低くして避難しましょう。
- 煙で視界が悪いときは、壁をさわりながら壁伝いに避難しましょう。
- 避難した後に、貴重品を取りに行くなど、絶対に建物に戻ってはいけません。
更新日:2024年12月24日