令和7年第1回みよし市議会定例会(施政方針)

更新日:2025年03月03日

令和7年第1回定例会あいさつ(施政方針)

令和7年度の当初予算案並びに関連議案の審議をお願いするにあたり、令和7年度の施政方針を申し上げ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

本市を取り巻く状況は、物価高による長引く市民生活への影響や自動車産業構造の変化、インフラ基盤の老朽化への対応、少子高齢化など数々の課題が山積しています。

令和7年度の市政運営に向けては、こうした社会情勢や本市の課題等に対応しつつ、将来への投資や基礎固めを行い、明るい未来に向けて大きく踏み出していく1年となるよう、各施策に取り組んでまいります。

主な施策の概要

安心して子育てができるまちづくり

こどもは、次代の社会を担い未来への希望となるかけがえのない存在です。安心してこどもを生み育てることのできる環境づくり、そしてこどもたちの健やかな成長を支えていくために、子育ての保護者負担の軽減や社会全体でこどもを育てていく環境づくりを進めます。

こどもまんなか社会の実現に向け、みよし市こどもの権利条例を新たに制定し、こども達自身が互いを尊重し合い、それぞれが持つ意見を社会に発信することができる社会環境の実現を目指してまいります。

また、保育の環境整備に向けた、城山保育園の移転新築については、令和7年度に建設工事を行い、令和8年4月から民間運営による開園ができるよう整備を進めてまいります。

産前産後期の家事育児支援のさらなる充実については、産後ヘルパーによる家事支援や妊娠出産による体の不調や精神的不安となる母親に寄りそう産後ドゥーラなど様々な支援により、こどもを生み、育てやすい環境を整えてまいります。

また、こどもが生まれてから1歳になるまでの乳児がいる家庭に対し、保健師や保育士が家庭を訪問するポピュレーションアプローチにより、こどもの養育相談や母親が産後うつにならないよう相談に応じるなどの子育て見守り訪問事業をさらに充実させます。

学びあいのまちづくり

それぞれの児童や生徒の個を尊重し、幸せや生きがいを感じられ、学校や地域でのつながり、自己肯定感や多様性への理解などを一体的に育むとともに、将来の予測が困難な時代においても、未来に向けて自らが社会の創り手となれるような教育環境を目指していきます。

その上で、生徒一人1台端末を活用し、悩みを抱える生徒が相談できるための支援策として悩み相談アプリを試験的に導入します。チャット形式により匿名で悩みを相談してもらい、市担当者はいじめや進路などの相談に応じ、生徒の心の変化の早期発見や適切な支援につなげられるようにしてまいります。

併せて、現在実施しております中学校での校内フリースクールに加え、小学校においても同様に教室環境や支援員を確保し、多様なこどもに寄り添う学校教育を推進いたします。

また、教科書の改訂にあわせ、中学校の学習用デジタル教科書を全校で利用できるよう整備し、教育現場でのデジタル化を進めます。

ささえあいのまちづくり

住み慣れた地域で、誰もが安心して健やかに、自分らしく過ごすことができるよう、地域包括ケアの深化や重層的支援体制の充実に向けた取組を進めていきます。

地域住民が抱える課題が複雑化・複合化する中、様々な視点から包括的な支援体制が必要であることから、地域に根差したコミュニティソーシャルワーカーの相談支援に加え、地域資源を活用した住民相互の支援に向け、地域づくり推進員の配置による要支援者の見守りネットワーク構築と地域づくりを進めます。

また、障がい者の農業分野での活躍を通して、障がい者の生きがいを創出し、社会参画を実現するための農福連携事業を推進していきます。

次に、在宅医療・介護の需要が高まる中で、住み慣れた地域で安心して生活できるよう、豊田加茂医師会による在宅医療介護従事者のネットワークの取組について、豊田加茂医師会をはじめとする関係機関や圏域自治体と連携・共同して、この取組が地域で浸透していけるよう本ネットワークの拡充に努めていきます。

これまでも介護人材の育成に努めてきましたが、さらに豊田地域医療センターとの関わりにより訪問看護師や総合療法士、訪問歯科衛生士の育成支援をしていきます。

加えて、医療や介護需要の増加に対応するため、認知症やフレイル予防、在宅療養支援など、現在の市民病院の機能を拡充し、補完する機能を備えた医療介護連携拠点の整備を進めます。

そして、男性の中咽頭がんや肛門がんなどの疾病予防、パートナー等の女性への感染予防に向け、本市独自に男性のHPVワクチンの助成をしていきます。

また、帯状疱疹ワクチンについては、65歳以上が定期予防接種に位置づけられましたが、本市では独自に50歳以上の方に対しても引き続き助成を行い、帯状疱疹の発症や重症化予防に取り組んでいきます。

安全で安心して暮らせるまちづくり

自然災害への対応やインフラの計画的な整備など、市民の安全・安心な暮らしを確保するため、ハード・ソフトの両面からの対策や今後を見据えたまちづくりを進めます。

能登半島地震では、倒壊した家屋の下敷きになるなどして多くの方が命を落としました。輪島市での住宅耐震化率は約45%、珠洲市約51%と耐震化が進んでいないことが被害を大きくしたとも言われています。本市の耐震化率は約92%でありますが耐震化率をさらに高めていけるよう、民間木造住宅の無料耐震診断の実施や耐震改修工事等の支援とともに、耐震改修促進計画の見直しを行っていきます。

また、豪雨時においても都市機能が健全に機能を果たせるよう、準用河川の整備や市街地における調整池の整備、雨水ポンプ場の整備を進めていきます。

活気に満ちたまちづくり

新規事業創出を目指すスタートアップや日本最大級のオープンイノベーション拠点として昨年開所したSTATION Aiにおいて、本市がパートナー企業会員となり、市内企業の新たな取引相手とのマッチング機会の確保や本市を拠点としたスタートアップ企業を呼び込むことで、本市の産業の活性化を図っていきます。

また、農業従事者の減少や高齢化が進む中、多面的な機能を持つ農地を維持し活性化させていくため、スマート農業を推進してまいります。

そして、本市の将来を見据え、魅力ある産業都市基盤、雇用基盤、財政基盤となる新産業用地の確保に向けた検討を進め、将来に向けた持続可能なまちづくりを進めます。

加えて、三好ケ丘駅周辺の市街化調整区域をより魅力的で人々が交流し、賑わいのあるまちづくりの拠点として開発検討を進めてまいります。

課題に向き合うまちづくり

公共施設のあり方については、各施設の実態を整理したうえで公共施設等の管理に関する基本方針を示し、今後の公共施設に係る改修や修繕等について平準化が図られるよう総合管理計画及び個別施設計画を改定し、公共施設等再配置の方向性を定めます。

次に、温室効果ガスの削減や持続可能なエネルギーの利用促進は喫緊の課題です。「世界首長誓約/日本」の誓約自治体として、公共施設のカーボンニュートラル化に加え、市内事業者に寄り添った伴走型の支援により、二酸化炭素排出量の可視化や削減対策の洗い出し、カーボンニュートラル実現に向けたロードマップの作成を進めていきます。この他、断熱等級の高いZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅への補助や商用車を対象とした燃料電池トラックの導入補助により、家庭や産業部門からの二酸化炭素排出量の削減をめざします。

次に火葬場の整備についてです。火葬事務を将来にわたって安定的かつ持続的に提供することは市民生活に欠かせないことです。今後の多死社会の到来により、火葬場のひっ迫が懸念され、速やかな対応が求められることから、本市単独での火葬場整備に向けて火葬場整備基本構想及び基本計画を策定してまいります。

最後に、職員の働き方改革についてです。昨年から窓口のデジタル化に合わせ開庁時間を見直し、業務の確認や連携時間の確保とともに、残業を前提としない働き方改革を進めています。また、フレックスタイム制度の見直しにより週休3日を可能とする働き方の導入や職員の健康・福祉の確保の観点から、次の業務まで11時間を空けるインターバル時間制を導入し柔軟な働き方を推進していきます。

以上市政運営の概要を申し上げました。

当初予算編成

当初予算では、未来へ持続的に発展させ、選ばれるまちに向けた予算として、行政需要への柔軟な対応、ゼロカーボンシティの推進、DXの推進や民間活力の活用などを進める視点で編成を行い、一般会計の総額は299億2,400万円で、前年度比プラス3.4%であります。

歳出の主な増加要因としては、小中学校児童生徒のタブレット端末更新や電算システム標準化に向けた導入経費、城山保育園移転新築事業設計・施工・運営一括発注業務などの増、障がい者自立支援給付費など扶助費の増、企業会計への負担金や補助金、給付金など補助費の増加によるものであります。

歳入面では、全体の約54%を市税が占めており、個人所得の増加が見込まれるものの法人市民税の減額を見込んでいます。この他、事業増加に伴う国庫支出金や県支出金の増、財政調整基金や特定目的基金を繰り入れてまいります。

また特別会計では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計を合わせた総額は、82億617万2千円、下水道事業会計と病院事業会計を合わせた企業会計の総額は、85億1,955万1千円となっております。

各施策の推進にあたり、歳入の積極的な確保に取り組みつつ、限られた財源を効果的・効率的に活用し、まちづくりへの投資につなげてまいります。

以上、令和7年度の施政方針を述べさせていただきました

なお、今議会に提出いたします議案は37件で、

その内訳といたしましては、

  • 条例の制定が 4件
  • 条例の一部改正が 21件
  • 令和6年度補正予算が 4件
  • 令和7年度当初予算が 6件
  • 和解及び損害賠償の額の決定が 1件
  • 指定金融機関の指定について 1件

でございます。

各施策ならびに議案の詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。慎重なるご審議の上、各議案について原案どおり可決いただきますようお願い申し上げます。

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